馬頭琴奏者 イラナ -yilana- OFFICIAL WEB SITE

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馬頭琴とは、弓で弦をこすって音を出す擦弦楽器で、元々は馬の尻尾の毛や皮を使って作られた楽器です。

モンゴル語で「モリンホール(Morin khuur)」と言い、直訳すると「馬の弦楽器」。モンゴルで最も広範囲に渡り、最も長い歴史を持つ楽器でモンゴル民族を代表する楽器であります。日本ではモンゴル民話「スーホの白い馬」で名を知られています。馬頭琴は2003年にユネスコ無形文化遺産に認定されています。

馬頭琴には2000年以上の歴史があり、モンゴル人の祖先と言われている「東胡」(紀元前3世紀-紀元前206年)にも、「奚琴」と呼ばれる楽器があり、馬頭琴の前身と言われています。時代が下り、南宋時代の「金史」にも「奚琴」についての記載されています。12-13世紀に書かれた「元朝秘史」という歴史書にはアルグサン・チルゲンという馬頭琴奏者についての記録が残されています、モンゴル人は 800-900年前から馬頭琴を演奏していたと思われます。「東方見聞録」で有名なイタリアのマルコポーロ(1254-1324)は、元の都を訪れ、1291年帰国時に馬頭琴を持ち帰りましたと記録されています。バイオリンが誕生したのはその300年後です。

馬頭琴の共鳴箱(ボディーあるいは琴箱)は台形で、ネックの頂には馬の頭が彫刻されており、これは馬頭琴の基本的な形で「馬頭琴」の名前の由来でもあります。
馬頭琴の弦は特別なもので、元々数十本の長い馬の尻尾で作られており、しっかりと固定されています。同じように馬の尻尾で出来た弓を使い、弦を摩擦することで低くて美しい音を奏でることができます。
馬頭琴の弦は2本で、内絃および外絃といいます。それぞれの絃は100本以上の細いナイロンテグスか、あるいは70~80本以上の馬の尾の毛で作られています。内弦は120本、外弦は180本を束ね、現在はナイロン製ですが、弓は今も馬の尾を使っています。共鳴箱は、ほとんど全てが木製ですが、ほんの30数年程前まで馬・牛・蛇などの皮を表面に使ったものもたくさんありました。 馬頭琴の演奏方法も独特で、左手の人差し指と中指の弦の押さえ方に特徴があります。指先で弦を押さえずに爪の生え際あたりで、外側(横側)から弦を押さえます。薬指と小指に関しては、指先で弦を押さえます。内弦のとき小指は下から外弦をくぐって押し上げるようにして音階を作るのですが、実は奏でるのは音楽だけではないのです。

動物の鳴き声や風の音などモンゴルの大自然が生みだすさまざまな音色を表現できるのがその最大の魅力です。